六十歳で無事退職し、半年一年と我が身をリペアしながらその間にセカンドライフとしての予定もたつであろうとのんびり構えていました。人生の六割になる時間を過ごした教職生活は、かけがえのない出会いの経験であったように思います。その間に得たものは多かったとはいえ、改めて出会った困難の多さには感慨深いものがありました。とは言え99%はなんとかやり尽くした感で終われそうだったのですが、一つだけ心に残ったことが、来なかった子どもたちのこと。しかし、まあええか、と思っていました。
だから、すぐに何人かと「居場所」づくりとして動き出したのは、予定外でしたが不思議な必然であったように思いますし、そんな自分にとても幸運なことでした。3年後、それらが一般社団法人「クレア」として結実したことは、何にもまして喜ばしい出来事でした。長野代表理事ご夫妻、中村理事、そして私の四名で一致していたことも不思議でした。
この一年間、まさに社会で生きづらさに困惑し、思う未来に踏み出すことがかなわない若者の支援に取り組んできました。依然として自立し支援の区切りを迎えた来室者はなく、クレアでの活動は試行錯誤の繰り返しです。この一年間で、クレアというこの目的を達成するための法人をなんとか創設し、出会った人たちに信頼されていくプロセスを享受することができたことが私たちには大きな成果であり、自信かもしれません。それは充実したものでした。
次の一年に向けては、内容の充実が課題だと思います。この組織でどれほどの人員を支援できるかはわかりませんが、つながりを待ち望んでいる人は多いとわかっています。いかにそういった人たちとつながっていくか。ネットワークを広げ簡単にアクセスできるように構成していくか。また、一人一人が全く違う要因をかえており、その支援を必要とする人たちに適する支援の内容を整える必要があります。多くの期待に応えるには、それを整理・精選し、一人でも多くの人たちに答えられるよう、支援内容を柔軟に考え整えること。また、多くの支援ネットワークの中で個人としても組織としても支援力を磨き切磋することなど、まだまだたくさんあると思います。
とはいっても四人四様、体の管理が第一かもしれません。そのためにもこれらの課題を若者、新たな世代に引き継いでいくことも、とても大切な取り組みかもしれませんね。
Comments