開設1年、新たな思い。理事長 長野順治
- Heart CREA
- 2021年9月4日
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クレアの一周年
長野順治
木下博副代表理事、中村忠夫会計主担理事、 長野君代(保育担当社員)と4人のスタッフで、生きづらく困っている子どもたちの支援を初めて1年が経った。思い返せば、定款の作成・認証、一般社団法人クレアの設立・登記、教室・事務所開設等々、様々な初体験の活動に右往左往した。それでも、2020年9月4日(金)大安の日、堂ケ芝のシャトー富士703号室に教室・ハートクレアが開設した。
スペースの時代から支援している高校2年のTHさん。スタッフの教え子で中学から不登校の19歳のNS君。中学1年の夏休みあけに宿題ができていないことから不登校になった中学3年のTT君。学力向上と体験・経験の幅を広げるように依頼された中学2年のNK君。登校できても友だち関係で再び不登校になったり、ハートクレアに来室できても登校はできなかったり、別室登校できたも教室に入れなかったりする。アウトリーチしても会えなくなったTS君と来室しなくなったTAさんもいる。
当初は、3.4名が狭いながらも楽しい教室にして、集団の力によって、成長・発達することを願った。しかし、不登校・引きこもりに近い彼らは、現段階では、スタッフでしか関係が成立しないし、他の生徒や人を拒否する。
それぞれの課題と問題に応じて、一人ひとりを見守り・寄り添ってどのようにするか話し合って、メニューを考えて支援してきたが、私たちの思う課題や問題の解決の道筋は間違っていなくても、まだ十分な成果は得られていない。もう一度、共に存在する時間と空間を大切にして、協働作業にするために、第三の居場所として変化と成長の起点になっているのか・自己決定して主体的に取り組めるメニューになっているのかを検討する必要があると思う。
彼らの表出するコミュニケーション情報が少なく、受容するコミュニケーションが不十分であるという力量不足を痛感している。本人たちの気づきや持っている力を生かせる環境や私たちの姿勢を問い直す機会にしたいと思う。
私たちは、彼らの写し鏡であり社会の窓であり、彼らの伴走者である。私たちの学びなおしと気づきが求められている。そのことによって、彼らと空間と時間を共有して、生きる力を共に探求したい。
様々な方々から寄付金を頂いたこと、天王寺区・北区社会福祉協議会の支援で助成金を頂いたこと、保護者の方々から全面的支援を頂いたこと、教室探しに積極的に関わって頂いたアパマン店長、シャトー富士の方々に深く感謝します。1周年を迎え、まだまだ試行錯誤しながらであるが、発展途上にあることを前向きに捉えて、次年度の今日は、成果と課題を明確にでき、発展的で持続可能な教室の展望を持てるようにしたいと思う。
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